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2008年9月 3日 (水)

特別休暇制度はダイバーシティとは逆行する?

一週間のご無沙汰でした。
皆さんは夏のバカンス楽しみましたか?
ヨーロッパでは1ヶ月程度の長期バカンスは当たり前らしいですね。
大体は避暑地に出かけて行ってのんびりとした休日を過ごす
というのが定番のようです。
日本のようにお盆と正月に満員電車に揺られて帰郷。
かえって疲れてしまうバカンスとは大違いですね。

さて、そんな日本ですが、最近は企業が率先して休暇を
取らせる方向に進んでいるようです。
それも通常の有給休暇とは別に、いわゆる特別休暇ってやつを設けて、
従業員が休暇を取りやすい環境を整えようという姿が見え隠れします。

一例を挙げると「ボランティア休暇」。
これは以前からもありましたよね。社会貢献に先進的な企業が
1990年代に相次いで導入したようで、仕事以外の社会貢献をする事で、
仕事への意欲を増す効果もあるようです。また、このような社会貢献
活動から、仕事上の新しい発想も生まれるみたいで、CSR活動の一貫
として企業も積極的に導入する傾向が見られます。

それ以外に変わったところでは、
子どもの学校行事に出席で取得する「スクールイベント休暇」
孫が生まれる際に取得する「孫誕生休暇」
失恋時に取得する「失恋休暇」
バーゲン時期に取得する「バーゲン休暇」
映画鑑賞の為に取得する「映画半休」
大切な人の誕生日に取得する「LOVE休暇」
などなど、多種多様の特別休暇が出現しています。

厚生労働省の「2007年就労条件総合調査」によりますと、
有給休暇の取得率は47%。ほぼ100%取得のヨーロッパでは
考えられない数値となっています。

日本の企業ではまだまだ従業員自ら休暇の取得を積極的に
言い出すことができない風土があるように思います。
そんな中、有給休暇ではなく、きちんと目的が明確になった
特別休暇の制度を設ける事で、休暇を取りやすくする事は
良い事でしょうね。
ただし、「特別休暇制度」を設けたためにかえって
「有給休暇」を取りにくくなってしまっては本末転倒。
本来は休暇を取るのに理由なんて必要ありませんよね。
「‘休みたい’から’休む」これで充分なのではないでしょうか。

「特別休暇」が増えるということはそれだけ「有給休暇」が
取りにくい企業体質であるという事を表していると思います。
更に言うと、休暇を取る目的は人から与えられたものではなく、
自ら作るものだと思います。

従業員の皆さん、考えて下さい。
そんな与えられた休暇だけで満足していいのですか?
「私はこんな理由で休みたい」って事があるんじゃないですか?

一方、制度を作る側の企業の皆さん。
制度を整えるのは大切かもしれませんが、企業には様々な人が
存在します。組織が決めた「特別休暇」の目的に合わない人も
必ず存在します。結局そんな少数派の人は特別休暇の対象から
外れてしまうのでしょうか?いやいやそんな人も取れるような
別の「特別休暇」も制度として作るのでしょうか?
そんな事をしていたらきりがありませんよね。

企業の多数派だけが取得できる「特別休暇」の制度というのは、
結局は企業内の多様性を無視した、皆一律に管理しようとする
日本の企業風土に根ざしたものであるように思えてなりません。

多数派が満足するような「特別休暇」制度作りに頭を使う
ぐらいなら、従業員のそれぞれが満足できるように、理由を
問わず「有給休暇」を従業員自ら自由に取得できるような
環境作りに頭を使った方がよっぽど為になるのではないで
しょうか。

ダイバーシティの観点からしても、一部の社員の利益に
なるような「特別休暇」制度は逆行しているように思います。
もっと、従業員の多様性を尊重し、彼・彼女らの能力を伸ばせる
ような「有給休暇」の取得を目指すべきではないでしょうか。

休暇をより取りやすくするために設けた「特別休暇」。でも、
実態はその休暇に名を借りた従業員の一律管理を感じます。
本来の休暇の意味をもう一度見直して、皆が気軽に取得できる
企業風土作りを目指しましょう。

自ら休暇の目的を考え、自らの管理で休暇を取得できる人材の育成が
企業にとって重要だと思います。
そのような人材育成が実現できれば、彼・彼女らは休暇だけではなく
きっと仕事も自ら目的を考え、管理もできるはずです。

特別休暇制度そのものは素晴しいものでしょうが、これがダイバー
シティの取り組みと逆行しない事を祈るのみです。

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